地方から若い女性の転出が進む背景には、賃金に関する格差が関係しています。また、地方の女性には地域格差と重なり男女格差を受けており、結果として彼女たちが都市部に流出する一因となっています。

もし地方自治体の子育て支援策が女性の流出対応策でもあるならば、その期待に反して、地元から流出する女性たちの選択には影響を与えていない可能性があることが判りました。

若い女性が地方から転出する主な理由は「仕事」「進学」、そして「生活環境」であることが判りました。特に「閉塞感」が女性の転出を促進している可能性があります。

地方から東京圏など都市部へ転出する若い女性たちは、男性に比べると一度転出すると地元へ戻る意向が薄く、転出先を生活の拠点とする傾向があります。

転出者数の多いエリアでは女性の転出が男性よりも多く、「20代前半が突出して多い」という女性に特徴的な転出が重なり、若い世代での性別人口の不均衡の傾向が見られます。

転出者の多いエリアから流出する世代は、女性の場合20代前半に集中しています。これは男性には見られず、女性のみに見られる現象です。

地方の都市部においても、20〜24歳の若い女性の東京への転出が目立つというパターンは共通しています。

日本三大都市圏の一つ、名古屋圏の中核・愛知県では2011年以降、東京圏への転出数が増加傾向。特に20〜24歳の若い女性の東京圏への移動が名古屋圏を抱える愛知県でも見て取れる。

中部地方の長野県と静岡県では、若い世代の転出が目立ち、特に20〜24歳の女性の転出傾向が顕著です。この傾向は東北地方と類似しています。

女性の転出が全国のエリアで最も多い東北地方での東京圏へ向かう女性の世代は、20〜24歳が中心となっています。