前回の振り返り
日本の人口減少と並行して静かに進行していること。それについてvol.2では、「地方」圏から転出した人の多くが、「東京」圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)へ転入したと考えられること、「東京」圏における女性の転入数は、近年、男性を上回ることを見ていきました。さらに状況を掘り下げていきます。
今回の結論
(1)近年の「東京」圏における女性の転入が男性を上回る傾向を、東京都のみで見てみると、さらに強い傾向を示している。
状況をデータで見てみると・・・
グラフ3-1を見てみましょう。このグラフは、東京都における1986年から2018年までの転出入を表しています。女性は赤い線、男性が青い線です。
グラフ3-1 東京都における人口の男女別流出入人口差の推移(1986年ー2018年)
2011年から男女とも転入が増加傾向にあり、なかでも女性の転入は2009年から男性を上回っています。さらに、「東京」圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の場合(vol.2掲載のグラフ2-2参照)よりも、東京都の方が差の開きの傾向が強くなっています。この点について、東京都はこの10年で男性よりも女性の社会増加に強いエリアへと変貌を遂げた、と天野馨南子氏は指摘しています(参考文献①)。
次回は、「東京」圏のなかでも、東京都への流入について焦点を当ててみましょう。
まとめ
(1)近年の「東京」圏における女性の転入が男性を上回る傾向を、東京都のみで見てみると、さらに強い傾向を示している。
参考文献
①天野馨南子(2019)人口減少社会データ解説「なぜ東京都の子ども人口だけが増加するのか」(中)-女性人口エリアシャッフル、その9割を東京グループが吸収-、ニッセイ基礎研レポート 2019-07-16 https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=62042?pno=1&site=nli